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ゴマメの歯ぎしり その2

「射撃免許の必要性 その1」

  管理者は、退官後に誘われて猟銃の所持許可を取得した。その後、地区の猟有会に入り、時々仲間と山に登って猟を行っている。新米猟師として勉強させてもらっているが、現在の狩猟行政や猟銃の管理等について色々改善する必要性があるのではと感じている。今回は、猟銃の所持許可について焦点をあて、問題点等を述べ、対策として「射撃免許の必要性」について説明したい。
 「銃砲刀剣類所持等取締法」に基づき、銃砲の所持は厳しい制限を受け、所持が許可されるのは猟銃(散弾銃及びライフル)のみとなっている。猟銃所持について「免許」はなく「所持許可証」による。「所持許可証」を取得するまでの苦労話は、詳しくはHP内の「猟銃・空気銃所持許可を得るには」を読んでいただきたい。お金がかかり、手続きも非常にめんどうで許可を取りづらくしてある。過去に、銃砲による重大事件が発生しているため、誰にでも猟銃の所持ができないようにしているからである。しかし、所持許可を取りづらくしている割には銃の使用に関して必要な訓練・管理を十分に行っているとは言えない。また、銃を扱ったことのない市民がほとんどであるという現状は、日本にとってある意味非常に危険な状態である。

 猟銃所持までの流れをおおざっぱに言うと、最初に警察で射撃講習受講の申し込みをすると、「射撃教習読本」を渡される。これを事前に勉強して、射撃講習に参加する。講習会では関係法令や、猟銃の特性及び狩猟等について教育を受け最後に試験がある。これが約1日かかる。試験に合格すると、その場で「射撃講習修了書」を交付してもらう。これは、車両免許の学科にあたるものである。
その後、必要書類を集め申請をして身辺調査を受けた後、射撃教習受講許可証が発行される。これで晴れて猟銃に触り、実弾射撃を行うことができる。射撃教習は指定射撃場で指導者から約1日銃の取扱い等の実技指導を受け、最後に実射により判定をしてもらう。判定は通常25発を射撃して的(クレーというお皿のようなもの)に4~5発命中すると合格となる。終了後に「射撃教習修了書」をその場で発行してもらう。これが車両免許の実技にあたるものである。
学科の「射撃講習修了証」と実技の「射撃教習修了書」を受領したら最後の段階に入る。銃砲店にて購入の銃を決め(おかしなことだが所持許可証を取得するまで猟銃に触ることはできない!)必要書類を準備(医師の判定もある)して所持の申請をすると最初から3カ月ぐらいでようやく許可証が発行され猟銃の所持が可能となる。

 手間とお金がかかり、面倒な手続きではあるが、必要な訓練が行われていない。学科の講習は1日で、実銃を使った訓練もたったの1日である。所持許可を受けた者の技能が不十分なので狩猟間の猟銃による誤射や射撃場での誤射が多発している。射撃場の管理者も暴発が多いとこぼしていた。なじみの射撃場の射座に張ってある滑り止めを見ると、所々黒く焦げている。暴発の跡である。危険極まりない話だ。
さすがに警察も危機感を持っているらしく最近は所持許可証を発行した後の研修を行うようになった。私は研修の第1号として、猟友会の山口支部副支部長から学科についての講習を1日受け、射撃指導員から2日にかけ射撃講習を受けた。さらに、猟友会山口支部長から山に登って実地研修を2日と計5日間の研修を受けた。しかし、これでも猟銃を取り扱うには十分とはいえない。自衛官の実射訓練に比べ猟銃の所持許可はかなりいいかげんなところがある。
 行政の指導についても問題点がある。狩猟をするためには、猟銃の所持許可とは別に「狩猟免許」が必要だ。これは県の農林事務所が発行してくれるのだが、その担当者が猟銃を撃ったこともない素人なのだ。また、「有害鳥獣駆除許可証」を発行するのは市の農林課であるが、この担当者も猟銃を触ったことのない職員である。さらに、所持許可を担当している警察署でも担当の警察官は猟銃射撃の経験がないのである。先般、所持している猟銃の点検(年1回ある)を受けに、警察署へ行ったところ、通りかかった若い警察官が猟銃を見て「これは火薬で弾が出るのですか?」と質問してきた。思わず、「おまえは警官のくせに、猟銃のことも知らんのか?」と尋ねてしまった。すると「担当が違うので猟銃のことは分かりません。」との答えであった。山口県警では一般の警察官は2年間で25発程度の実弾射撃訓練しか受けておらず、自分が携行する拳銃についても十分な練度がない。ましてや散弾銃やライフルの知識は皆無である。このように素人同様の人たちがプロの猟師を指導しているのである。本当におかしい話である。
 そこで、管理者は猟銃の所持を希望する者にたいして、必要な訓練を行った後に付与する「射撃免許」創設を提唱したい。実は、大日本猟友会という組織があり、そこでは以前から免許発行の必要性を述べている。ただし、彼らは「射撃免許」は警察庁が担当すべきとしているが、警察庁には訓練を行う能力も施設もない。そこで、この際、防衛省が主導して「射撃免許」制度を創設してはどうだろうか。これは防衛省にとって新たな業務と負担が増えることになるが、うまく運用すれば防衛基盤の育成につなげることができる。これらを踏まえ管理者が考える、「射撃免許」制度については、稿を改めて記述したい。