ゴマメの歯ぎしり       前のページへ戻る

ゴマメの歯ぎしり その7

「戦争で損をした国、得をした国」(平成28年5月22日 記)

日本は日米戦争の敗戦の結果、明治維新以来先達が文字通り血と汗で獲得した多くの領土を失うこととなった。これを列挙すると北から樺太の南半分、北方4島をのぞく千島列島、朝鮮半島、台湾、信託統治領の南洋諸島、満州の権益、そして今中国が基地を建設し問題となっている南シナ海の西紗諸島や南紗諸島等である。また、国の基本たる憲法については米国の作成したものを採用せざるを得なかった。かなり損をしたと言えるであろう。

ところが、第2次大戦ではうまく立ち回った国がある。筆頭がロシア(旧ソ連)である。大戦前ナチスドイツと組んでドイツのポーランド進入後に東半分を自国領土にしてしまった。バルト3国も占領した。ところが、ドイツがソ連侵攻を開始するや連合国側についた。大東亜戦争末期には満州に攻め入り、千島列島も占拠した。3000万人を超える死者を出しながら、領土拡大に成功した。しかし、ソ連崩壊後は多くの衛生諸国を失い経済的にも浮沈が激しい状況である。

2番目が中国(中華人民共和国)である。日中戦争時は、国民党との戦いの最中で逃げまわっていたが、第2次世界大戦終了後、日中戦争で疲弊した国民党軍を大陸から追い出すことに成功した。また、厭戦気分の広がった世界情勢に乗じて、ウィグル・チベットを併合した。日本が開発した満州地区の工場地帯は中国の発展に多大の寄与をした。この国が中華民国を国連から追い出した後、第2次大戦の戦勝国でもないのに、常任理事国に治まったのはブラックジョーク以外の何物でもない。日中国交回復した当時の田中総理が訪中して日中戦争のお詫びを述べたところ、毛沢東主席から「日本のおかげで国民党を撃破できた。」とお礼を言われたと聞く。しかし、急激な経済成長により世界の支配者になろうとした中国も現在その未来に暗雲が立ち込めている。少数民族問題、経済問題等を抱えている。内憂回避のため、強硬な反日政策を取り続けた結果、わが日本国民を惰眠から目覚めさせたのは皮肉である。

3番目は「韓国」であろう。朝鮮半島は戦場になることなく日本は無条件降伏をした。35年間かけて日本が整備したインフラをただで手に入れ独立を果たした。これはまさに青天の霹靂であった。もともと地域的な対立が多く、まとまりのない国であった。韓国は自力で独立ができなかった原因を日本の圧政によるものという教育を徹底し、現在の反日体制を作り上げた。しかし、この政策も日本を国際社会の厳しさに目を向けさせる要因となった。目を覚まさせてくれたと言うべきであろう。

さて、一番損をした国はどこであろうか。管理者は米国を筆頭に上げたい。英国から東部13州が独立して以降、絶えず西を目指して国を大きくしていった。広大な土地と資源をもとに国力を増大して西を目指した結果ぶつかったのが日本である。日米戦争で日本をねじ伏せて太平洋域を支配下に置いたものの、旧ソ連と対峙することになった。その結果、朝鮮戦争やベトナム戦争という米国の国益に直接関わりのない戦争を戦う羽目になった。さらにはたちの悪い中国をも相手にせざるを得なくなっている。ただ、もし大日本帝国が存続していたら日本が極東における米国の役割を担うことになっていただろうから、日本が戦争に負けたことは不幸中の幸いであったと言えないことはない。

こうしてみると損得は一言で言い表せないのが分かる。戦争の結果は、それが終わった時に決まるものではない。現に中東では、テロと内戦の嵐が吹き荒れている。そもそもの原因はイギリスをはじめとするヨーロッパ諸国の支配にあった。彼らの残した負の遺産である。そして、そのつけは難民問題となってヨーロッパを襲っているのだ。また、今に続くアフリカの内戦も植民地政策の結果である。これに比べれば日本が起こした日中戦争や日米戦争などその後のアジアの発展につながったことを考慮すれば、100年後には評価が変わってくるのかもしれない。


(文責 岡本)