猟銃・空気銃所持許可を得るには?(完結編)

 近年、猪や熊等が山を下りてきて人里に現れ、住民を襲うという事故が多発しています。このため、行政機関からも自衛隊に対しても、有害鳥獣駆除に協力してほしいという依頼があったようです。猟銃の所持許可の厳正化のため現在猟友会会員が高齢化し、有害鳥獣駆除に参加できる人が少なくなっています。
 筆者もこの件を仄聞し、友人からも勧められ「それでは一肌脱ごうじゃないか。」と、少し軽い気持ちで猟銃・空気銃所持許可証の取得に挑戦することにしました。始めてみると、金のかかること夥しく、また手続きが極めて煩雑であり、大変な手間であることが分かりました。以下は平成22年9月から所持許可を得た平成23年6月までの記録です。
 ※なお、以前猟銃免許と記述していましたが、猟銃・空気銃の所持に関しては、免許ではなく所持許可を取得することとなります。

◆猟銃・空気銃所持許可証取得の第一歩・・・・「猟銃等講習会」を受講
 ○「猟銃等講習会」の申し込み
 所持許可取得のためには、まず「猟銃等講習会」を受講しなければなりません。
 平成22年(2010年)9月30日山口警察署生活安全課にて猟銃等講習会申し込みの申請をしました。
受講料として6800円支払います。この際、担当のKさんから「猟銃等取扱読本」を渡され、良く読んでおくように言われました。
講習会のあと試験があり、これに合格する必要があるとのことです。なお、講習会は年6回程度実施されており、実施要領は山口県警のHPで確認できます。
 ○「猟銃等講習会」を受講
 平成22年10月14日(木)山口県公安委員会にて受講しました。
 講習会は、私も含めて8人の受講者がいました。昼食をはさんでの講習は一日仕事となります。私は、代休を取って臨みました。
 講習の時間割は次のとおりです。
 ・1000〜1200 法令関係:
 ・1300〜1530 銃の取り扱い
 ・1530〜     試験
 ・1650〜1700 講習修了証の交付
 この日のために「猟銃等取扱読本」を1週間みっちり勉強しました。しかし、老兵には新しいことを覚えるのはとても難しく、試験をうけたものの合格しないのではないかと心配しておりました。結果は8人全員合格でした。(過去には50人が受講して数名しか合格しないことがあったそうです。)
 当日、その場で「講習修了証」をもらいました。この修了証の有効期間は3年です
 さて、「講習修了証」を受領したものの、まだまだ難関が続きます。

◆猟銃・空気銃所持許可証取得の第二歩・・・・「教習資格認定」の申請について
 ○「教習資格認定」の申請
 次は、実技である「射撃教習」を受ける必要があります。実弾による射撃教習を受講する資格があるかを公安委員会に認定してもらうのです。
 そのため、必要な書類を添えて申請します。この量の多さと煩雑さは次のとおりです。
 ○申請に必要な書類
  @申請書:2枚
  A写真:2枚(証明写真は500円から800円
  B経歴書(過去10年の職歴等です。)
  C診断書(精神科の病院にて、問題がないかどうか診断を受けます。4000円から20000円ぐらいかかります。)
  D戸籍抄本(本籍地で取得、450円
  E住民票の写し(山口市では100円
  F誓約書(法5条関係)
  G誓約書(法5条の2関係)
  H身分証明書(破産していない証明書で本籍地の市役所でとります。200円※本籍地へ往復の高速代900円
  I講習修了証明書(前述の猟銃等講習会修了の際受領したもので、提示します。)
 平成22年11月24日上記の資料を揃えて、山口警察署市民安全課に申請をしました。この時、自治会長、職場及び配偶者に確認の電話をするとの話があり、許可が下りるには2カ月ぐらいかかるとのことでした。この手数料は8900円です。

◆猟銃・空気銃所持許可証取得の第三歩・・・・「射撃教習」の受講について
 ○「教習資格認定証」の受領
 年が明けて、平成23年1月19日、「教習資格認定証」を交付するので、山口警察署に来るようにとの連絡がありました。1月24日に警察署に行き、「教習資格認定証」を受領しました。これで、ようやく「射撃教習」を受けることができます。この時、「猟銃用火薬類等譲受許可証」を発行してもらい、この手数料2400円を支払いました。この認定証の有効期間は3ケ月間なので、4月18日までに「射撃教習」を受けなければなりません。
 1月28日に、鹿野射撃場(山口市から一番近い)に電話して2月5日(土)0900に予約しました。

 ○「射撃教習」の受講(2月5日(土)鹿野射撃場:土曜日が射撃教習の日だそうです。)
  射撃教習では「飛行標的射撃実習教本」と「散弾銃射撃教本」を基に実弾射撃の教習を受けます。

周南市鹿野地区は、まだ雪が多く残り
射場入り口はアイスバーンでした。 
駐車場から、事務所方向
自衛隊の射場と比べるととても小さい。 
射撃の様子
辺りに薬きょうが転がってます。 
今回使った射場備え付けの猟銃
射撃教習のために許可を受けているので
使用することが可能です。
弾丸は1箱25発入りです。 
○射撃はすべて立射です。自衛隊ではあまりやる機会がないので、とても疲れます。
○射撃教習では、教習射撃指導員から講習を受けます。今回はベテランのSさんでした。
○講習では、銃の取扱・保持、安全確認、射撃の要領等を指導されました。特に、強調されたのは安全管理です。安全については、
 自衛隊の指導の方が厳しいと感じました。
○スキート射撃で射撃考査を受けますが、目標はお皿のようなクレーが左右の小屋から飛び出し、これを射撃して命中させます。
 命中はクレーが破損して飛び散りますので、確認できます。距離は20mぐらいでしょうか。3か所の射撃位置で5発ずつ、最後の
 射撃位置で10発を射撃して、計25発を射撃します。私は、これを2回練習して、3回目に考査を受けました。4発以上当たれば
 合格だそうです。何とか、合格できました。計75発射撃しました。とても疲れました。
「教習修了証明書」(有効期間:1年間)を受領しました。ここで教習費用を払います36000円!!

◆最終段階・・・・・所持許可の申請について
  いよいよ、申請を始めようと思いましたが、年度末の忙しさにかまけて先延ばしにしていたところ、3月11日に東日本大震災が発生しました。東北地方への支援についての業務等に加え、新年度の業務等があり、申請がどんどん遅れておりました。そんな中、元自衛官の方からガンロッカー(猟銃格納用)を譲る話や、銃砲店の紹介など色々アドバイスを受けることができました。
  業務がひと段落した4月16日(日)周南市鹿野にある原田銃砲店を訪問し、申請に必要な書類の説明を受けたり購入する散弾銃を決めてきました。店主の原田さんに色々説明を受けて非常に助かりました。

 ○4月20日に山口署へ赴き以下の申請に必要な書類を提出しました。
  @申請書:2枚
  A写真:2枚
  B譲渡等承諾書(購入する猟銃について銃砲店から発行してもらう)
  C経歴書(前回も提出しましたが、過去10年の職歴等です。)
  D同居親族書
  E診断書(精神科の病院にて発行してもらいます。2度目なので面接はすぐに終わりました。前回と同様3700円
  F戸籍抄本及び住民票の写し(戸籍抄本実家のあるY市で450円、住民票は山口市で100円
  G誓約書(法5条関係)
  H誓約書(法5条の2関係)
  J身分証明書(今回は郵送で取りましたので200円と切手代160円
  K講習終了証明書(昨年10月14日に受けた講習で受領したものを提示)
  L教習終了証明書(本年2月5日に受けた射撃教習で受領したものを提示)
  山口署の定期異動で担当がYさんに代わりました。前任と同様に丁寧な説明を受けました。また、K係長から「銃砲保管状況報告書」を受領し、所持許可申請に必要だと説明を受けました。所持許可の申請に10500円支払います。
※「銃砲保管状況報告書」とは
  猟銃等を保管するためのロッカーで、銃を保管するための「銃砲保管庫」と実包等を保管するための「保管庫」の2種類があります。これらは2階建ての家では2階にそれぞれ別の場所に固定しておく必要があります。これらの設置状況について報告するものです。
  「保管庫」については銃砲店で予め購入しましたが、「銃砲保管庫」は38000円もするということなので、先輩から譲ってもらうこととしました。

 ○6月3日(金)銃砲保管庫の点検を受ける。
  上記の申請をして、すぐに点検を受ければ良かったのですが、先輩からロッカーを無償で譲り受け(本当にありがとうございます)、これを据え付けるのに時間をかけてしまいました。山口署からYさんともう一人の方が来られ、見てもらいました。結果はOKとのことで、後は許可が下りるのを待つばかりです。

 ○6月29日(水)銃砲所持許可証を受領
  前日に、山口署から許可が下りたとの連絡がありました。山口警察署に赴き許可証を受領しました。

 ○猟銃の取得及び山口警察署にて確認をしてもらう。
  6月30日(金)代休を取り、まず鹿野の原田銃砲店に行き猟銃及びガンケース・手入れ具その他を購入しました。全部で118900円かかりました。次に山口署へ赴き、銃の確認を受けました。この際、射撃場で射撃するための「猟銃用火薬類等譲受許可証」(これは許可証の中にあります)を出してもらいます。2400円かかります。 
  帰宅後、猟銃(上下2連12番装弾:射場で撃つには適していますが、猟には向いていないとか)をガンロッカーに格納し、ほっと一息です。

  さて、ずいぶん時間がかかったように見えますが、私自身の都合で長くなったのが大きな原因です。最短で次の期間で取れるようです。
  @「猟銃等講習会」を受講
     ↓
  A講習会終了後ただちに「教習資格認定」の申請
     ↓約2カ月
  B「教習資格認定証」の交付を受ける。
     ↓射場と調整に約1週間
  C「射撃教習」の受講(鹿野射撃場の場合毎週土曜日が講習日)
     ↓
  D猟銃所持許可の申請(この時、「銃砲保管状況報告書」を提出し、警察官の点検を受けておく。)
     ↓約20日間
  ☆猟銃所持許可受け
   以上からうまくやれば、最初の講習から猟銃の所持許可が下りるまで、最短で3ケ月程度で可能でしょう。ただし、警察署が開いているのは平日なので、休みが取れない人は、大変です。また、揃える書類が多く、また同じものを2回出す場合があるので、必要なものをまとめて準備するとよいでしょう。自衛官は、現役の間に所持許可を取ることをお勧めします。その他、今回の申請〜所持許可を通じて、感じることがたくさんありましたが、これは稿を改めて皆さんにお伝えします。

   さて、これで終わりではないのです。次は狩猟免許の取得です。
   ところで、かかった費用ですが、約20万円です。猟銃の取得にはお金がかかります!!